(この記事は書きかけのものであるが、事態の重要性を考え、下書き段階で公開するものである。)

今回の大阪府教育委員の5名の方々の行動は、賞賛に値すると思う。
いったんは知事の教育委員会会議への出席の同意し、妥協に走ったかのように思ったが、最後はきっちりと教育に携わるものとしての道理を貫いてくれた。

総辞職を「無責任」と非難する向きもあるかもしれないが、私たちはそうは思わない。
橋下徹大阪府知事は「子どもが笑顔の大阪」を公約に当選し、自らの肝いりで蔭山氏などの教育委員を任命して、大阪の教育の質の向上を図ってきたはずである。
もちろん、教育委員の5名の方々もその思いで、仕事に取り組んできたはずである。

しかし、大阪維新の会が提案した「教育基本条例案」は、これまでの大阪府の教育施策の全否定から始まっている。これを読んで、怒りを感じない方がおかしい。
現行制度でも、教育に対して知事は一定の影響力を発揮することができる。ある意味、橋下知事の意向に沿いながら、教育委員会の自立性も保ちつつ、大阪の子どもたちのために力を尽くしてきた教育委員にしてみれば、今回の「教育基本条例案」は知事による「裏切り行為」である。
そういう橋下知事の許しがたい行動に対して、「総辞職」で抗議することは当然の行為であろう。

知事自身が任命した教育委員なのである。その教育委員全員が「総辞職」を表明したことは、知事に「三行半」突きつけたということである。つまり、橋下知事は自分が選んだ教育委員に「見捨てられた」のである。
もはや、橋下徹大阪府知事は「裸の大様」である。

このたび、10月25日に大阪府教育委員が連名で発表した「教育基本条例案に対する教育委員の見解」を入手した。非常に的を得た批判であるので、リンクを張ると共に、項目を紹介したい。

教育基本条例案に対する教育委員の見解

1. 私たちは、憲法・教育基本法を柱とする現行教育法令を尊重する。

2. 私たちは、教育という全ての子どもたちに関わる根本的な重要課題を、短期間の審議や選挙で決めるべきではないと考える。

3. 私たちは、今回の条例が生み出す教育委員会の無力化、教育と政治の一体化を認めるわけにはいかない。

詳しくは、是非「見解」全文を読んでいただきたいが、まともに筋の通った意見である。
私がたまたまつけていたTVに橋下知事が出演していたが、教育委員の総辞職についてキャスターから質問された彼の返事は「仕方がないですね」だった。
その後続いて、「僕は『教育委員会』のあり方を論議したいのに、向こうから議論を逃げているようでは仕方ないですよ」と発言した。この条例案のどこに、教育委員会のあり方を議論するような文面があるのか。
本気で議論したいのなら、条例案ではなく、直接話し合えばいいこと。彼は府民は詳しい内容を知らないことを見越して、平気で嘘をつく、そんな人間なんだと改めて思った。

橋下徹大阪府知事は、虚言、詭弁、暴言の鎧で身を守る、孤独な「独裁者」である。

このような人間にこれ以上大阪を任せるわけにはいかない。
11月末のダブル選挙では、大阪市民・府民の正しい判断が示されると共に、かつて行われていた「教育委員公選制」の対して、再度議論を始めて行く必要性を感じる。
これが、教育に「民意」を反映させる、重要な方法の一つと考えるからである。

(後日、加筆する予定です。)