「緊急プラン(素案) Ver.2 」は予想通り、パブリックコメント募集の初日に、箕面市HPにアップされていました。6月最後の週に市民への説明会も行われ、引き続き7月21日までパブリックコメントを受け付けているということです。

仕事に追われ、なかなか更新できませんでしたが、パブリックコメントの募集にあたり、私達なりの問題意識、分析をがんばってアップしていきたいと思います。「緊急プラン」は提案したゼロチーム自身が認めているように、「市民の生活に厳しく切り込んだもの」になっています。
その分、多くの市民の生活に大きな影響を与えますので、何か行動しなくてはと思っておられる方も多いと思います。

私達にすぐできることといえば、とりあえず自分の意見をパブリックコメントに書いて、市に送ることでしょう。しかし、文章を書くにはそれなりの精神力が必要ですし、何よりも何を根拠に書いたらいいのか、悩んでおられる方も多いと思います。

そこで、ここからしばらくは、私達「みんなの箕面」なりの「緊急プラン」の問題点の分析と、箕面市の財政は本当に苦しいのかなどの、アップを再開していきたいと思います。
是非、お読みください。

前回の「私達の問題意識(1)」で、『「緊急プラン」を実行するためには、まず「国民健康保険料」の値上げが一番優先される』という内容を書きましたが、その通り、平成21年度は総額2億円の値上げが実行され、さらに1億円の値上げを市は提案しようとしています。
他に、前年度は反対が多くて見送った「保育所保育料の値上げ」や「障害者団体への補助金の削減」などを、至上命題として掲げています。
保育料はこれまで市で独自で補助金をつけ、国基準の7割程度の保護者負担でやってきました。それが一挙に9割、つまり20%も値上げされます。現在の保育料の最高金額(3歳児未満)は57,900円ですが、これが80,000円、22,100円もの値上げになります。年間で265,200円の値上げです。

倉田市長は「子育てしやすさ日本一」「老齢者の生き生きする街づくり」を公約に掲げて当選しておきながら、実際に行っている行政が「市民の命を削る」国民健康保険料の値上げ、「親の就労を妨げる」ほどの保育料の値上げならば、公約違反のそしりを免れないでしょう。

ここまでして、倉田市長が市民への福祉を削ろうとしているのはなぜでしょうか?
それは、「箕面森町」と「彩都」などの大規模開発へ、市民の税金を投入するための財源確保です。
私達が開催したシンポジウムでのプレゼン資料を使って、わかりやすく説明したいと思います。

平成21年2月9日に行われた「第1回彩都・箕面森町地域整備特別委員会」の資料によると、平成60年度までにそれぞれの事業に投入される市の税金は「箕面森町」で約317億円、「彩都」で約432億円です。
市の歳出の内訳は、学校や道路、下水道の整備に使われる「一般財源」、借金の返済に充てられる「起債等償還」、そしてそれぞれの町に人が住む限り市が負担し続けるサービスの「一般経費」です。
平成29年度までに「箕面森町」と「彩都」の事業に、市が投入する税金は以下のグラフのようになります(ここには、大阪府が負担する分は含まれていません)。

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それぞれの歳出を合わせると、平成22年度以降、20億円前後の金額が二つの大規模開発事業につぎ込まれることになります。
これと、「緊急プラン(素案)」が提示している市の財源不足を合わせてみると、興味ある一致を発見することができます。

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このグラフを見てもわかるように、平成29年度でも二つの事業は赤字です。市が提示している資料に基づいて作成していますので、特別な作為はありません。平成22年度の財源不足額が大きいのは、「臨時財政対策債」の廃止を計上しているからです。しかし、これはまだ決定していません。
ということは、二つの事業への本格的な市税投入が始まる平成23年度以降の財政不足額が、「箕面森町」と「彩都」の赤字分とほぼ一致することがわかります。

つまり、「緊急プラン(素案)」は、上記二つの事業への財源確保のために、市民への福祉を削ろうとしているとんでもないプランだと考えられます。
ところが、「緊急プラン(素案) Ver.2」では、二つの事業への市税の負担が異様に低く提示されています。どうも、「一般経費」の部分を、市は隠しているように見受けられます。
このあたりに関しては、今後の分析で明らかにしていきたいと思います。

以上のように、「緊急プラン(素案)」の本質は、「大規模開発継続のための財源確保」のために、いかに市民への福祉サービスを削っていくかということです。これは、本来市民の生活や命を守るべき、地方自治体の役割を放棄したも同然です。
市民から大きな反対の声が出てくるのも、当然なのです。

次回は、市が言うとおり本当に財政難なのか、「箕面森町」と「彩都」の二つの事業は市の青写真の通り、本当に黒字になるのか、検証していきたいと思います。
引き続き、お読みください。