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箕面市緊急プランについて

「緊急プラン(素案)」の説明会に参加された方から、メールでご意見をいただきました。
ご本人の了解の上、公開したいと思います。

1月10日中央学習センターにて「 箕面市緊急プラン」の説明会が行われました。7日・8日・9日にも他の場所で行われており、4回目となるようです。会議室は50人がやっと入れるくらいでしょうか。最初、改革特命チーム“ゼロ”メンバーから1時間弱の経過説明と内容説明があり、その後質疑応答になりました。市側と会場からの質問から感じたことを述べたいと思います。

1.手続き上の問題

昨年8月の市長選で新たに選ばれた市長が副市長に選んだ奥田氏に指示し、内部職員組織改革特命チーム“ゼロ”を設置したのが同年10月31日。箕面市緊急プランが発表されたのが同年12月14日。併せて新聞発表や市ホームページへの掲載、市関係施設を通じての緊急プラン(素案)の資料配布、そして今年に入り、市内数カ所での説明会開催、16日を期限の意見募集と続きます。
特にプラン発表から市民への説明、意見を聞き、理解を求める期間があまりにも短すぎます。市側の説明では市議会へ予算を提案する日程上仕方がなかったと釈明されていましたが、内容をみると拙速さは問題を複雑にしかねません。
なにより民主主義は手間と時間がかかるものです。効率優先は弊害あって一利なしと思います。また、質疑の中からも説明会を手続きを踏んだものとされるのに危惧の念がだされていました。

2.財政上の理由

経常収支がこのまま続くと、財源不足を基金で補うとして、基金は2年で底をつき厳しい財政見通しになるという説明から始まりました。
恒久的な財源不足の理由を国の三位一体改革に求め、基金の取り崩しが限界にきていることが説明されました。基金に依存した財政構造からの脱却が目指さなければならない最重要課題だというのです。基金の推移として平成10年に300億あったものが平成19年には半分近くまで減少しているとグラフを使って説明されるのです。
基金の取り崩しの結果であって原因についての説明責任を果たしたものになっていません。少なくとも行財政運営の一方の当事者である市側であるわけですから、不自然かあるいは意図的かのそしりを免れないと考えます。
会場から大規模開発にかかわる財政支出があったのではないか、経過の中で評価し、議論をしながらすすめていくべきではと質問が出ていました。納得のいく説明がなされなければなりません。

3.なぜ87項目なのか

箕面市のすすめる事業は900にも及ぶそうです。その中の87項目が予算削減や廃止の対象として挙げられています。
対象に挙げられる基準として?市の裁量にかかわる部分であること。?100万円以上の予算がかかっていること。?改革の効果が高いものであること。などを選別の基準としたようです。極めて機械的、数字だけで選ばれたようです。
そもそも行政の認識とはそんなものなのでしょうか。表向き価値判断を市長や議会等に任せるやり方に違和感を覚えます。一体誰のための行政なのでしょう。

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緊急プラン(素案)説明会に参加して

説明会の最終日である10日に参加をしたが、会場は中央生涯学習センターの一室で行なわれた。

緊急プラン(素案)説明会は、市民への告知が充分でないまま4日間実施され、箕面市長はもちろんのこと、この素案をつくりあげた「箕面市改革特命チーム“ゼロ”」(内部職員組織)のリーダーである副市長は、どの会場にも姿を見せなかった。

参加者から、緊急プランを知らない市民が多く告知の仕方が不十分との意見が出たが、市側の説明はホームページや12月号のもみじだより、新聞で知らせているとの回答。

しかし、市側のいうとおり説明会の日程についても充分な告知が出来ているというのであれば、もっと多くの市民が参加することを想定し、大きな会場を用意したはずである。多くの市民の意見を聞く場にしたいといいながら、たった4日間の説明会と、狭い会議室での実施、1回の説明会が説明1時間、質疑応答1時間では、実施したという形式を整えているだけのような印象をうけた。

参加者からは「“弱いものいじめ”と受け取れる内容であり、もう一度素案の見直しを求める」「配られた資料からは“削られていない部分”がわからない」「箕面市の良い独自性も残すことも大切」「ただ支出金額の多さだけに目をやった単純な用益負担をやめて欲しい」「子どもを生み育てている保護者にこれ以上の負担を強いるのか」「必要のない開発事業はやめるべき」との声が大半であった。

「今後の大規模開発による歳出中止」の声には、明確な回答がなく、更に今回の説明会が“市民の声を聞く場”ではなく形式的なものだと思わざるおえなかった。

今後さらに歳出改革の詳細な調査が必要な項目としては、社会福祉協議会や障害者雇用団体等への補助金削減や、学校教育関係人員配置の見直しで、どのような影響が出るかである。

これらの改革を実行した場合、社会的弱者に多大ある影響がでることは想定できるが、改革実行後にじわじわと市民にあたえる大きな影響がでてくることも懸念される。

市立病院改革プランは箕面市が今日まで、今後高齢化社会によりかかえる課題に備え、築き上げてきたソフトとハード面を崩し、まさに“ゼロ”にする内容である。

今回の改革には、人が経験を積み上げていくことも箕面市の財産であることが、全く感じることができない内容となっている。歳出改革は毎年の予選編成を急ぐことなく、慎重に議論する必要がある。

★結論としては、「子育てしやすさ日本一」「高齢者の生き生きする町作り」などを大きく後退させる内容であることは間違いなく、「社会的弱者」を狙い撃ちした改革を決してこのまま進めさせてはいけない。

◆下記は説明会に参加し疑問に感じた項目を抽出しました。

ただし、限られた時間の中での質疑応答であり、あまりにも多方面にわたる改革のため、今後も資料から読み取り、疑問点については投稿していきます。

1,箕面市緊急プラン(素案)は誰が考えたのか

この素案は平成20年10月31日に、副市長をリーダーとする「箕面市改革特命チーム“ゼロ”」(内部職員組織)を設置した後、財政状況の分析と今後の対策を分析し、平成25年度当初予算を目途とした、87項目からなる改革項目を示している。改革項目はあくまでも「チームによる試案」であり、問題は市役所内の各部局と未調整で作成している。
今日の説明では、従来のように市役所内部で調整し固まった段階よりも、出来るだけ早い時期に箕面市の財政状況を議会や市職員、市民へ情報提供し、各方面で議論していくことを前提としている。
説明会参加者からは、市議会で固まったあとではなく、現段階での情報提供に賛成の声も聞かれたが、参加者に気づいて欲しい大きな問題は、素案の段階で情報提供をする姿勢は歓迎するものの、今示されたこの緊急プラン素案には、日頃業務をとおして市民のニーズを把握しているだろう
『市役所内の各部局』の意見が反映されていないこと、『箕面市長の選挙公約』は考慮していないことである。そのため歳出金額の多さだけに目をむけた87項目が改革案としてあげられたものと考えられる。

〔疑問〕

なぜ、試案づくりに『市役所内の各部局の声』を聞かないのか・・・
なぜ、試案づくりに『箕面市長の選挙公約』を考慮しないのか・・
説明会では、『現場の声』も『市民ひとりひとりの一票で選ばれた倉田市長の選挙公約』をも無視した、この素案は、副市長をリーダーとする「箕面市改革特命チーム“ゼロ”」(内部職員組織)が考えたものであると、平然と言っていた。
さらに、なぜこの説明会に市長も副市長も一度も出席していないのかとの問いに、「われわれ箕面市改革特命チーム“ゼロ”で考えた素案であるから」と答えたことに驚かされた。副市長もかかわっていないということか。

2,なぜ恒久的な財源不足なのか

  • 三位一体改革の本格実施等
  • 臨時財政対策債の廃止

住民税は、所得に応じて3つの段階(5%、10%、13%)であったものが、一律10%に変更となり高所得者が13%から10%に下がったことにより、10億を超える財源不足になるとの説明があった。(近隣他市では、芦屋市に同じ現象がでたとのこと)
この説明でわかったことは、既に平成19年には、低所得者は住民税が5%から10%に上がり、高所得者は13%から10%に下がったことである。

〔疑問〕

なぜ、今回の素案は、3%住民税が下がった高所得者を対象になるような素案が盛り込まれていないのか・・
なぜ、5%住民税が上がった低所得者の生活を、さらに苦しくする素案が盛り込まれているのか・・

3,5年間の歳入改革について

  • 広告収入のアップは5年間で4千万円の増加

〔疑問〕

景気低迷が今後益々懸念されている中、それだけの広告収入が期待できるのか・・

  • 滞納対策の強化は5年間で4千万円の増加

〔疑問〕

なぜ今まで滞納者対策の強化をしてこなかったのか・・
今回の改革により、低所得者等の滞納者は益々増加し、生活保護対象者の増加につながるのではないか・・

  • 市有地の利用・活用は5年間で1億6千万円

〔疑問〕

桜保育所跡地は、民営化移転のおり、「地盤沈下により建築地としては適切ではない土地である」との説明があったが宅地用に地盤強化するための歳出は必要ないのか。歳出が出ればそれは有効な活用といえるのだろうか。
また、箕面市はいくつもの各断層があり、市所有地や公的な施設が減ることにより(既に保育所の民営化により避難施設が減っているのが現状)、震災時の避難場所が足らないのではないか。
今回の改革素案でも耐震化工事は、公立の保育所、幼稚園(再編統合の素案あり)、小学校、中学校を行い、他の公的施設の工事は延期としているが、阪神淡路大震災の時に問題となった、市民の長引く避難所生活により、避難所となった小学校等へ通う子どもたちの学習確保が難しくなるのではないか。

6件のコメント

社会的弱者切り捨ての「緊急プラン」

このウェッブマガジン・ブログの本格始動は4月からを考えていました。
その理由は、倉田市長自身最初の所信表明で具体的な政策はほとんど語らず、抽象的な精神論で終始していましたし、副市長の人事は提案しましたが、その他の収入役や教育長などの人事は来年度以降に回されたからです。

その副市長も前子ども部部長の奥山勉氏で、彼は箕面市の福祉畑で長く仕事をしてきた人物です。倉田市長自身若い分、ベテランをサポートにもってくるなど、ある程度バランス感覚のある首長と考え、市長としての施策がはっきりしてから活動を開始しようと考えていました。

しかし、その淡い期待も、12月16日に発表された「緊急プラン」で一気に吹き飛んでしまいました。

「緊急プラン(素案)」に対する意見募集:箕面市

上記リンクからPDFファイルをダウンロードできますので、是非中味をご一読ください。

「緊急プラン」によると、箕面市は平成21年度から5年間で273億円収支不足が見込まれ、それを補うためにさまざまな事業を見直し、毎年約26億円から35億円の支出削減効果を出す中で、5年後には経常支出比率を100%以下にしようというものです。
これだけだと素晴らしい案のように思われますが、以下の点で大きな問題点を含んでいます。

(1)倉田市長の公約である「子育てしやすさ日本一」「高齢者の生き生きする町作り」などを大きく後退させる内容であること

今後のエントリーで考察していきたいと考えていますが、見直し対象の多くが「保育所保育料の値上げ」「幼稚園入園料の新設」「障害者団体への補助金の見直し」など、子ども・障害者・老人という「社会的弱者」を狙い撃ちしたものになっています。
このあたりは「緊急プラン」を提案した「特命チーム“ゼロ”」もHPで認めており、「目標を達成するためには、市民生活や市民サービスにも大幅に切り込む極めて厳しい内容」になっています。

(2)市役所内で十分に議論されて提案されたものではなく、あくまで倉田市長が任命した「特命チーム」が短期間で考え、提案した案であること。

市役所の公務員の方々は、常日頃から市民と直に接する中で、いろんな市民の声を直接聞いています。だからこそわかる市民の要望もあるはずです。そういう声を市政に活かすのも、公務員の大切な仕事のはずです。
しかし、今回の案はHPで書かれているとおり、「市役所内の各部局とも未調整で作成」されています。これは恐ろしいことです。市民の生活に直接関わることが、トップダウンで決められていいのでしょうか?
しかも、そのリーダーが元子ども部部長であることに、大きな憤りを感じます。

(3)箕面市の「財政難」の根本的原因を明らかにするものではなく、現状を示すものでしかないこと

「緊急プラン」はひたすら「財政難」を強調しますが、近隣都市の中では箕面市は財政的には優秀な方です。このままでは「基金を使い果たしてしまう」といいますが、そうなってしまった原因は、どこにあるのでしょうか?
編集長自身、箕面市の福祉の充実さに魅力を感じて、他市から転居してきましたが、その充実した福祉が箕面市の財政を破綻させたのでしょうか?
かつての箕面市は、光り輝いていました。その優れた部分を削り落としてまでやる必然性のある「緊急プラン」なら、それなりの根本的な説明が必要です

(4)市民の生活に大幅に切り込むものであるものなのに、市民に十分に周知されていないこと

箕面市の「緊急プラン」は各新聞紙に簡単に取り上げられてはいましたが、当の箕面市ではHPや市内何カ所かの市の施設で配布されているだけです。。
広報の「みのおだより」にも掲載されてしません。もちろん、全戸配布もされていません。
そのような中で、市民からの意見を募集するということですが、そのこともHPで知らされているだけです。
説明会も行われますが、それもHPで告示しているのみです。
これほどの市民負担を強いる内容なのに、多くの市民がアクセスできない方法で公示すること自体、市民無視のプランといわれても仕方ないでしょう。

今後、一つずつ問題点を考察していきたいと思います。

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