このブログは、箕面市の問題について書いていくのが中心であるが、それよりも重大な問題が大阪府庁で起こっている。橋下徹大阪府知事・維新の会から「大阪府教育基本条例(案)」が提起され、大阪府教育委員会全員が反対するという異常事態になっているのである。
万が一、維新の会が多数の暴力でこの条例案を府議会で可決すれば、大阪の教育は死んでしまう。箕面市の教育も同じである。それほどの問題を抱えている条例案。その9月12日段階での素案を入手したので、是非読んでいただきたい。
24ページにわたる膨大なものなので、以下に簡単に骨子を載せておく。
ぱっと読むと、いいことが書いてあるように思ってしまうが、「教育基本条例案」の中心部分は、教師に対する厳罰と締め付けである。
子ども達は公立高校がどんどん統廃合される中で、高い学費を払って私学へ行かざるを得ない状況である。私学の授業料の支援金も、その恩恵に預かれるのは、半分を越える程度である。
また、保護者に対しても「学校に不当な様態で要求してはならない」など、本来教育権は国民のものであり、学校に対する保護者のさまざまな要求は、学校への期待と願いの裏返しである。
それを押さえつけるとは、もはや府民さえも押さえつけようとしている。橋下知事の本性が見えてきている。彼のどこが「府民の代表」に値するのか。
「大阪府教育基本条例案」が現行法と照らし合わせて、そのような法的な問題を持っているのか、自由法曹団の大前治弁護士が要点をまとめたものがあるので、紹介したい。
これだけの法的問題点があることを、弁護士である橋下知事が知らないはずがない。明らかな確信犯である。いつものパフォーマンスで大きく打ち上げ花火を上げ、教師と学校支配、公立学校の削減の部分だけ可決できればいいと考えてるのだろう。
「大阪府教育基本条例案」に対しては、前述の大前治弁護士が詳細な反論をしているので、是非お読みいただきたい。
大阪府教育基本条例(案)―――府民の立場からの批判 (弁護士 大前治)
橋下知事・維新の会がしていることは、「政教分離」の原則で再出発した戦後の新しい教育への挑戦と破壊であり、「府民の代表」と言いつつ、自分に反対する府民の意見を押さえ込もうとし、15歳の子ども達の進学先をますます狭めようとしている。
橋下知事が就任したとき、前太田房江知事の下で働いていた教育委員の首を切った。多くの教育委員は、彼のワンマンなやり方をメディアで批判しつつ、辞任した。
その時に、橋下知事の肝いりで教育委員に選任した陰山英男氏(立命館大教授)と小河勝氏(大阪樟蔭女子大講師)までもが、反対していることが問題の重大性を表している。
どんな思想・立場の人間であれ、本気で子ども達の学力を伸ばし、よりよい学校を作ろうと頑張ってきたきた者には、今回の「大阪府教育基本条例案」は現場の力を奪う許しがたいものなのである。
大阪維新の会:教育基本条例案 府教育委員全員「反対」:毎日jp
大阪府教委の教育委員会会議が16日開かれ、橋下徹・大阪府知事が代表を務める首長政党「大阪維新の会」が9月府議会に提案予定の「教育基本条例案」に対し、意見表明ができない府教育長の中西正人氏以外の5人の教育委員全員が「ものすごく乱暴」などと批判し、反対の姿勢を示した。
5人のうち、陰山英男氏(立命館大教授)と小河勝氏(大阪樟蔭女子大講師)の2人は08年10月に橋下知事の肝いりで委員に選ばれたが、いずれも激しく批判した。特に陰山氏は「この条例で大阪の教育がよくなるとは思えない。学力は上がってきているのに、今まで作り上げてきたものを自分たちで壊すことになる。耐えられない」と述べ、条例案が可決されれば辞任する考えを表明した。小河氏も「教員を管理し、処罰しようとする視点しかない」と反対論を展開した。維新の教育条例案「可決なら辞める」 百ます陰山委員:asahi.com
特に異論が相次いだのが、一定の比率の教員に最低評価を行わなければならないなどと定めた管理強化の規定。陰山委員は「あの先生を辞めさせたいといういじめが始まる」「評価者の方向ばかり向く教員や、一部の保護者とつるむ教員も出てきます。(現場は)むちゃくちゃになりますよ」などと反対理由を述べ、「これで学力が上がりますか、先生のやる気が上がりますか」と訴えた。
大阪府教育委員会が9月16日付けで、条例案について意見書を出している。これも、異例のことと言えるだろう。資料を入手したので、読んでいただきたい。
もはや、橋下徹氏は「府民の代表」でもなんでもない。単なる「暴君」である。「維新の会」は、彼に盲目的に従っているファッショ集団である。彼らに大阪の政治や教育を語る資格などない。
橋下徹氏が大阪市長になり、維新の会の後任者が大阪府知事になれば、本当に大阪は終わってしまう。彼らがやっていることは、「大阪壊し」である。
私たち「みんなの箕面」は「大阪府教育基本条例案」に断固として反対するとともに、今度の選挙では府民の良識が示されることを、切に願っている。
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