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箕面市は、学校給食の食材に対して、放射能汚染の調査を至急すべきである

箕面市は、本来福祉が充実していることで、定評のある街だった。
その中でも、近隣の街から抜きん出ていたものに、小学校の学校給食がある。

隣の池田市が給食センター方式(現在でもそうであるが)なのに、その当時から箕面市は各小学校に調理室を設備し、それぞれの学校でその学校の児童の給食を調理していた。これを「自校式」という。
この方法は、特にアレルギーの子どもを持つ親にとって、とてもありがたい方法である。現在はセンター方式の池田市も、親の要望を受けて、ある程度の除去食の給食で対応しているようであるが、自校式だと児童のアレルギーの状態を直接把握している各小学校で調理するので、間違いが起こりにくい。しかも、調理師を置いている小学校もあり、親が直接相談することもできた。
私の知り合いも、子どものアレルギーのため、わざわざ箕面市に転居してきた家庭もあるくらいである。

その優れた箕面市の給食も、数年前(つまり、倉田哲郎現市長が、政務総監として総務省から出向していた頃)から、少しずつ民間委託され始め、今年の初めには12小学校のうち半分の6校が、調理を民間業者が行っている。
その上「財政難」を理由に、年度途中の9月から更に2校の調理業務を民間委託するというのである。
今や、箕面市が責任をもって調理を行っている小学校は、箕面・北・西南・東の4校のみになってしまった。

民間委託する一番のメリットは、人件費の節約である。箕面市は現在は全ての小学校で同じ献立で給食を実施しているが、3/4が民間業者の調理となった現在、箕面市の献立では採算が取れないと独自の献立を実施する業者が現れない保証はない(採算が取れない民間簡単に撤退することは、中学校の「デリバリーランチ」で実証されている)。
箕面市の給食に関する方針は、市のホームページに載せられているので、一度お読みいただきたい。

給食だより(市立小学校):箕面市ホームページ

「生野菜や果物、肉類は国産のものを使用」など、「食の安全」に関心の高い親とっては、安心できる文言が入ってはいるが、私が気になったのはそれより先に書いていある「新しくて安価で良質なもの」という言葉である。
食の安全に関心の高い人ならすぐわかることだが、新しくて良質な食材ほど、高価である。農家と直接契約を結ぶのなら別であるが、ホームページを見る限り、大阪府内の業者から食材を購入していことはわかるが、民間委託されている業者が、どこから食材を納入しているかはわからない。文面のまま受け取れば、民間業者は採算が取れるように、まず安価な食材を購入するのは想像に難くない。

このような状況の時に、東日本大震災による「福島第一原発」事故の、広範囲の放射能による土壌などの汚染である。これに関しては、最近になり「ホットスポット」の存在も明らかにされ、放射能汚染が、私達の予想を越えて、広範囲に及んでいる可能性を示唆している。
そして、数日前に、メディアで発表された驚くべき事実。横浜市の給食で、放射能に汚染された牛肉が使われ、6万人以上の子ども達が口にしたということだ。

横浜市立小の給食、汚染牛24キロ使用:asahi.com
同市によると、福島県の畜産農家が出荷した牛の肉のうち、冷凍保管された肉から20日、719ベクレルが検出された。同じ牛の肉は他の牛肉と混合され、5月13日に市内16校(児童数計8028人)の給食で肉じゃがとして出されていた。
同市の学校給食では、放射性物質に汚染された稲わらを食べた牛の肉を約6万7千人が食べていたことが判明していた。

放射能に関しては、目に見えないこともあり、わからず入荷してしまったということはあるかもしれない。しかし、横浜市で問題なのは、その後の市の対応である。
ホームページに市民の声を書き込むページがあるのだが、この給食に関する問題には「お答えできません」という回答が並んでいるだけである。これで、子どもの健康に責任を持っていると言えるのであろうか。

「市民の声の公表」(横浜市)

放射能の影響は、幼い子どもほど受けやすい。倉田哲郎市長は「子育てしやすさ日本一」を公約に当選した。
未来の世代に債務を残さないという「緊急プラン」、「北大阪急行延伸」で便利な箕面を作るというのも、立場の違いでいろいろな見方もあろう。
しかし、放射能に汚染された給食を口にして、箕面の子ども達の未来が暗いものになることは、レベルが違う問題である。「食育」を重要課題にしている箕面市が、直接指導できない民間業者に、子どもの未来の健康を丸投げ状態で、道徳的にも倫理的にもまともな政治をしているといえるだろうか。しかも、来年度は中学校への給食の導入も検討していると聞くが、これは民間委託は間違いない。
今や、自分の家庭で弁当を作る方が、自分の子どもの健康を守れる状況とも言えるのである。

そのような状況の中で、箕面市としては、至急に食材の放射能汚染がどの程度が調査し、公表するべきある。
そして、市長の名前で、事実をもって、嘘をつかずに現状を公表してほしい。
私達のブログは、常にオープンである。
倉田哲郎市長の直接のコメントをお待ち申し上げる次第である。

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1年後の箕面市長選挙を視野に入れつつ、この3年間の倉田哲朗市政を総括する

3年前の2008年の8月、自民党・民主党、公明党、国民新党という当時考えるだけの与党の推薦を得ながら、投票数の過半を取れずに当選した倉田哲朗氏の市長としての仕事も3年目を終えた。
そして、来年はいよいよ市長選挙である。

彼は当時、最年少の市長としてもてはやされたが、そんなことはどうでもいい。彼がしたことは、公約になかった「緊急プラン」の突然の発表。
当時子ども部長だった奥山勉氏を副市長に任命、市長寄りの役人を集めて、市民の福祉を削り、彩都や北大阪急行の延伸に財源を回す、ある意味古典的な、そして非情な市政を強行してきた。

当時、箕面市の保守勢力にとっては、前藤沢市政から政権を奪い取るのが至上の命題だった。だからこそ、箕面の政務総監だった総務省出身の倉田氏に白羽の矢を立て、全力を挙げて市長に押し上げたのだった。
しかし、そういうことはたいした問題ではない。大事なことは、彼がこの3年間何をし、何をしなかったかということだ。

これまでの記事でも明らかにしてきたが、倉田哲朗箕面市長はその公約の多くを実現できないで終わっている。その典型は、市立中学校のデリバリーランチであろう。
国民保険の大幅な値上げも、公約にはなかった。
彼が市長に就任してから、国も民主党政権に変わり、従来以上のばらまき政治というラッキーな条件で市政を切り盛りできたが、そのほとんどが従来のハコモノ作りに終始している。
つまり、ハードはそろえたが、それに伴うソフト、つまり市政に「魂」を入れる仕事がないがしろになっている。

同時に、「箕面都市株式会社」問題に表れているように、古くからの利権者と倉田市長との不透明な関係も、だんだん明らかになってきている。それは、先日の「旧かじか荘」売却問題でも感じられる。

私たちは、会設立の趣旨にもあるように、バックもコネもない普通の市民の側にたつ箕面市政の実現がそもそもの目標である。
そのためには、市長を変えるのが一番である。なぜなら、市長が握っている権限は絶大なものだからである。市会議員とは比べものにならない。

そして、政治は理念だけで動くものではない。この3年間で何が変わり、何が変わらなかったのか、その事実を明らかにしていくことが大切だと考えている。
その事実を明らかにしたとき、「若いから」という根拠のない人気で市長を選ぶのではなく、本当に多くの市民の利益を大切する人を選ぶという、民主主義が根付いていくと考える。

そこで、これから1年間かけて、倉田哲朗箕面市長のしてきたことを明らかにしたいと考えている。というのは、私も自身の仕事を抱えながらのブログの更新である。細切れになると思うが、少しずつ自分の問題意識をアップしていきたい。

皆さんにお願いしたことは、私は決して政治や財政の専門家ではないということ。それでも、市民のための箕面を作っていこうと自分の能力を超えたことに挑戦している。
私の連絡先は、facebook、Twitter、Google+などで明らかにしている。私がアップすることに、いろんな方面から助言をいただければ、大変ありがたい。

1年後の、市民本意の箕面市政の実現のために、多くの方の力を結集していきたいと考えている。是非、力を貸していただきたい。

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Google+というソーシャルネットワークも始めました

ここ最近のネットによるつながりの発展には、目を見張るものがあります。
私自身は、個人的に4年ほど前からTwitterを始めました。その時は、実は日本に本格的に入ってきた第2回目のブームでした。実際にはその少し前に、先進的なGeekな人の間では徐々に広がっていました。

その4年前は、ちょうどブログやmixiの最盛期で、自分で情報を発信したい人はブログ、人とのつながりを楽しみたい人はmixiという感じでした。
その中で、Twiitterはテキスト中心の、しかも140字の制限のあるサービス。当時は「ミニブログ」などと呼ばれていましたが、どう使ったらいいのかよくわからず、ブログ仲間や、たまたま知り合った人とフォローし合って、ちょっとした会話を楽しんでいました。

それが、今やTwitterの3回目のブーム。今度の波は大きく、政治家や企業が自分のポリシーを広めたり、宣伝に使ったりしています。一挙にユーザーが増えることで、私自身のフォロワーも急激に増え、会話と同時に、最新の情報を得る場にもなってきています。
そこに、facebookの日本上陸。私は2009年8月から始めていました。実名主義を原則とし、実際の知り合いを「友達」として登録していくのが基本のソーシャルネットワークサービス。そこには、Twiterとは違い、フォロワーをどんどん増やすのとは違う、狭いけど、緊密な会話とつながりがありました。

10数年前のパソコン通信から経験しているものにとって、ここ数年のネットの状況の変化には大きなものがあります。当時は、ネット上のつきあいと、現実に顔を合わせるつきあいを区別し、「オフ会」という呼び方でパソコン友達と会う会を企画したものです。
しかし、最近の状況を見ていると、ネットとリアルとを分ける必要性を感じなくなってきました。ネットでのつながりも、また新しい現実であり、決してバーチャルではないと思うようになってきました。実際、顔を会わせることなくネットだけで仕事を仕上げることは普通になってきているし、私自身ネットで知り合った人間関係で一つのプロジェクトをやりあげたこともあります。

そういう状況の中で、Googleが新しいソーシャルネットワークサービスである「Google+」を始めました。一応、実名を原則とするということですから、facebookと同じSNSのような感じですが、大きく違うところは「友達」という概念がありません。
Twitterと同じように、お互いにフォローし合うのが基本ですが、別にフォロー返しをする必要もありません。
どうやら大きな目的は「情報を共有し合う」ことにあるようです。そういうことならば、私たち「みんなでつくろう みんなの箕面」に最も適切なSNSかもしれません。

今のところは、まだ発展途上のサービスであり、招待制でしか参加できませんが、下記のURLをクリックしてもらえれば、私のサークルに参加できます。ただし、Gmailのアドレスを持つことが基本になりますが。

https://plus.google.com/_/notifications/ngemlink?path=%2F%3Fgpinv%3DnrXoSpaP5RQ%3Acc3Wg7CkzAE

私たち、普通の市民が持つ力は小さいものです。
それがネットの力で増幅できるのなら、いろんなサービスを貪欲につかっていきたいと考えています。

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facebookページを作りました

しばらくブログの方を更新できていませんが、それは書く内容がないのではなく、自分の仕事やプライベートが忙しく、なかなかこちらの方にまで手が回らないというのが真実です。
これは、市民活動をしている方の共通の悩みですね。こちらは生活の合間に、自分の時間をつぶして活動しているのですから、そう簡単に行政に勝てるはずもありません。

さて、このブログではネットでの広がりも意識して、早い時期からTwitterやfacebookを活用してきました。Twitterはその気楽さもあり、少しずつフォロワーが増えていますが、facebookは現実の友達と繋がるのが基本ですので、なかなか広げるのが難しいところがあります。

facebookも頻繁に仕様が変わります。その中で、これまで「コミュニティ」といっていたものが、「facebookページ」という変わりました。これならば、私、遠野響と友達にならなくても、「みんなでつくろう みんなの箕面」の記事にアクセスできます。
ですから、これからはブログの記事は「みんなでつくろう みんなの箕面」facebookページにアップしていこうと思います。ここには、日本に住む誰でもアクセスできますので。

「みんなでつくろう みんなの箕面」facebookページ
facebookに参加していなくても閲覧はできますが、コメントなどはつけられません。
これを機に、facebookに参加されませんか?

Twitterの流行、facebookの台頭で、ネットでの人間関係の切り結び方もかなり変わってきています。そして、それが3.11の東日本大震災でのネットの使われ方をみても、ネットが現状を変えていく力になっていると実感します。

来年の8月には、いよいよ箕面市長選挙です。
それまでにもっと力をつけて、是非箕面を変えたいと思っています。

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教師に「君が代」起立斉唱を義務づける、橋下徹大阪府知事の蛮行

もうさまざまなメディアで取り上げられ、議論になったことであるが、橋下徹大阪府知事が、自身の政治団体「維新の会」が過半数をとっている大阪府議会で、数の暴力を利用して、とんでもない条例を可決・成立させた。

大阪府、君が代条例成立 教職員に起立斉唱義務づけ:asahi.com
公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例案が3日、大阪府議会(定数109)で成立した。同府の橋下徹知事が率いる「大阪維新の会」府議団が提出。公明、自民、民主、共産の4会派は反対したが、過半数を占める維新の会などの賛成多数で可決された。

この状況は異常である。これまで自民や民主政権は教職員への国歌斉唱や起立などを要求し、それに応えて文科省などは各都道府県の教育委員会に指示などを下ろしてきたが、その当の本人達も反対する中での、数の暴挙である。
反対する勢力の方が、今回は正しい、なぜなら、この条例は憲法に抵触する可能性があるからである。

「国旗及び国歌に関する法律」が国会で成立したときも、時の政権は「これは、保護者や子どもの内心の自由を制限するものでない」と繰り返し、答弁していた。それは当然で、どんな法律であれ、憲法が保証している、思想及び良心の自由(第19条)を否定することは認められないのである。憲法の条例に反する全ての法律や条令が無効であることは、憲法自身が第98条に定めている。

そういう観点から考えると、橋下知事が今回もくろんでいることは、法治国家である日本の憲法を否定することであるとも言える。だからこそ、問題性の大きさから、大阪府教育委員長も橋下知事に対して異論を述べているのである。

大阪府教育長「現場に任せて」 君が代条例巡り知事に:asahi.com
中西教育長は「問題のある学校には、文書や口頭で教員に指導し、学校の現状に応じて粘り強い指導を続けていきたい」と述べた。これに対し、橋下氏は「僕の立場で号令をかける」と主張した。

中西教育長が府立学校には職務命令を出すと言明していること自体、大きな問題はあるが、まだ橋下知事より対応はましである。
そもそも、行政は教育内容に介入するべきものでない。それは、1947年の教育基本法に明記されていた。

(教育行政)
第10条
教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

改悪されてこの条項の文言は書き換えられてしまったが、これが戦後教育の原点であったことは間違いない。
要は、戦前はそのときの政府の都合で教育がゆがまされて、最終的に多くの子ども達を戦場で死なせてしまった。その反省から、戦後の教育が再出発したことを忘れてはならない。
だから、いろいろ問題を抱えつつも、中西教育長の言うとおり、「粘り強く指導する」という方が、まだまともなのである。

だが、橋下知事は9月の府議会に、複数回起立斉唱しなかった教職員を懲戒免職にし、しかも実名まで公開する条例を提案するという。

君が代不起立の教員、実名公表も 橋下知事、検討の構え:asahi.com
維新の会は5月府議会で「君が代条例」の成立を図り、9月府議会で起立を拒む教員の処分ルールを定める条例案を提出する方針。

橋下氏はまた、処分条例案の対象を君が代不起立に限らず、他の懲戒処分にも広げる考えを示した。ただ、実名公表の対象を君が代不起立のケースに限るかどうかについては「よく考えなければ」と明示しなかった。

記事を読む限り、処分の対象を君が代不起立以外にも広げ、お上のいうことを聞かなければ全て処分し、実名をさらす。江戸時代の厳罰の恐怖による支配と何ら変わりがない。これはもう「蛮行」を通り越し、ドイツ・ナチスのファシズムと何の違いもない。

私は自分の子どもが通う学校の入学式や卒業式に何度も参加しているが、日の丸も掲げられているし、先生方が不起立で混乱しているところを見たことがない。つまり、これまでのやり方で何の問題もないのである。
それなのに、こんな条例を出してきたということは、橋下知事は教育をも自分の思い通りに支配しようとしているということだろう。「大阪都構想」というイメージだけで選挙をやり、自分の勢力が過半数を占めたら、後は公約とは違うことをやり始める。「大阪都構想」も何の説明もできていないではないか。

私達は、あのナチスも最初は選挙で合法的に選ばれた史実を忘れてはいけない。その後、ホロコーストへの道へ進み、ドイツを崩壊させた。橋下知事がやっていることは、それと同じである。

先生方が権力で縛られ、教える内容もやり方もお上のいう通りにして、本当に子ども達が学びがいのある学校になるだろうか。世界的に学力が高いと言われているスウェーデンは、実は教師の自由が強く守られているという事実を、私達は知るべきである。だからこそ、先生方のモティベーションがあがり、結果として成果も上がるわけである。権力で縛れば縛るほど、大阪の教育は駄目になっていくことを、私達普通の親も知っていかなくてはならない。
精神的自由は、人間の人権の中でも根幹をなすものである。学校は理想の社会を作るための、つまり日本国憲法の精神を体現する将来の大人を育てる場所である。そういう学校が、一部の権力者によって牛耳られてもいいのであろうか。そのことで大阪の教育は死に、一番の被害者は私達の子ども達になることを忘れてはいけない。

私達「みんなの箕面」は親の立場から、自分の子どもの未来を守るため、今回の条例に断固として反対し、抗議するものである。

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箕面市の中学校給食は、保護者の期待に応えたものになるだろうか

すでに、箕面市からお知らせがあり、多くの保護者の知ることであるが、箕面市の公立中学校の「デリバリーランチ」は、平成22年度をもって廃止された。
給食業者2社が契約したが、利用率の低さから、導入後すぐに1社が撤退を申し出。残りの1社で、サービスを削り(1週間分先に予約する・生徒に販売するのは学校の教職員など)という形で、何とか継続してきたが、利用率の低下を止めることはできず、ついにその業者も契約の更新を断ってきた。
「デリバリーランチ」は倉田哲郎市長の立候補時からの、公約の一つ。「子育てしやすさ日本一」の柱の一つであった。それが破綻したと言うことは、彼の政治家としての見通しの甘さを明らかにするものであり、本来なら市長の名前で保護者への謝罪などあってしかるべきだが、教育委員会名での短い文書が一枚だけ。市のHPにすら載っていない。
自分の政策が失敗したときこそ、正々堂々と間違いを認めるべきだと思うが、彼に限らず、政治家というものは自分の失敗には甘いようである。

私たち「みんなの箕面」は「デリバリーランチ」導入時から、その見通しの甘さを指摘してきた。1食400円で経営を維持しようと思えば、市からの補助金は不可欠である。弁当を作っている保護者であればすぐに想像できることであるが、400円の弁当で利益を上げようと思えば、食材の質を落とすなりしないと無理なことはわかりきっていることである。なのに、市は「バランスのとれた、栄養のあるデリバリーランチ」と美辞麗句を並べて、大阪府の「スクールランチ事業」とは違い、補助金を一切出さない独自方式こだわり、失敗した。
以前から箕面市は「弁当を作ることで親子の繋がりを深める」など、いわゆる「弁当愛情論」を中学校で給食を実施しない理由にしてきたが、私たちはその論には与しない。弁当と愛情とはさほどの関係はない。小学校で完全給食が実施されていることを見ても明らかである。
だからこそ、私たち「みんなの箕面」は補助金を出して、「デリバリーランチ」の質の向上を訴えてきたのだが、その声が倉田市長に届くことはなかった。

そこに折しも、橋下徹大阪府知事が大阪府の給食実施率をあげるため、突然に「5年間で約246億円の補助金」を打ち出してきた。

中学給食、箕面市が導入に向け検討…大阪(YOMIURI ONLINE)
府は5年間で補助金を246億円計上し、政令市を除く市町村に対して1校あたり2億1000万円までの施設整備費を半額補助する計画で、府内の給食未実施校234校での完全実施を促すのが狙い。
箕面市は、給食設備の増設などに5億〜10億円、人件費などで年間5000万〜8000万円がかかると試算。同市教委学校管理課は「今後、府の補助メニューを見ながら、給食センター方式にするのかどうかなどを検討したい」としている。

橋下知事の発言は、多分に府議会選挙を意識してのものであると想像されるが、それでも長く保護者が求めてきた中学校での給食の実現に向けて、大阪府が動き出したことの意味は大きい。
しかし、それに積極的に反応したのは箕面市を初め、7市町村に過ぎない。それは補助金の額に対して、実際に給食を実施しようとすればかかる費用が多額であることが原因の一つであろう。

大阪公立中の「給食導入」前向きは7市町 産経新聞調査(産経ニュース)
大阪府の橋下徹知事が、公立中学校への給食導入補助を府の平成23年度予算案に盛り込んだことを受け、産経新聞が補助対象の府内41市町村の意向を調査したところ、新たに給食導入を決めたり、前向きに検討を始めた自治体は7市町にとどまっていることが23日、わかった。一部導入を含め、すでに実施している11市町を加えても半数以下の18自治体。運営経費の高さに加え、必要性自体を疑問視する自治体もあり、「給食は大阪の根幹の問題」ととらえる知事との温度差が表れた。

あくまで、大阪府が出す補助金は一校あたり2億1000万円の半額である。つまり、1億500万円。箕面市の中学校は6校(止々呂美中学校と彩都の新設中学校には、既に調理室が整備されている)、総額6億3000万円、それでは箕面市が試算している最低必要経費にようやく届く程度である。

新聞報道では、箕面市は「給食センター方式」にしか言及していないが、それでも5億円近い市税を使う必要がある。隣の池田市はセンター方式をずっと続けているが、アレルギー対応など細かい対応が難しく、箕面市の小学校で実施されている「自校式」には遠く及ばない。
私たち「みんなの箕面」としては、お金をかけてでも中学校の給食にも「自校式」を導入してほしいと考えるが、給食導入に関して大切なことは、保護者・生徒・先生達など現場の意見であると考える。まずは、多くの人が参加しての検討が必要であると思う。これまでのトップダウン方式での失敗を繰り返さないよう、倉田哲郎市長には現場の実際に関わる人たちを中心とした検討会をもつよう、強く要望したい。

最後に、多くの方が見落としている問題を一つ指摘したい。それは、中学校の授業時間との関係である。
現在、中学校の授業時間は50分、1日6時間授業で、3時過ぎに授業を終え、その後17:30まで部活動というスケジュールになっている。
もし小学校と同じ給仕式の給食を導入するとなると、そのための準備の時間が必要である。市内の小学校では準備と食べる時間を合わせて40分間取っている。
現在、中学校の昼休みの時間は、弁当を食べる時間と合わせて45分間。ということは、昼休みを全て使い切ることになる。

今の中学校のスケジュールを変えないで導入するとなると、子どもの休み時間がなくなることになる。もし、50分授業のまま休み時間を保障するとなると、部活動の時間が更に短くなることになる。
休み時間も部活動も、どちらも中学生にとっては大切な時間、権利である。給食のためにそれを削るとなると、本末転倒である。

ということは、子ども達の休み時間、部活動の時間を保障しつつ、給食を導入するとなると、授業時間を45分間にするのが一番現実的ある。しかし、箕面市は全国学力テストでも好成績を収め、文科省が全校参加を中止してからも、倉田市長からのトップダウンで全国学力テストへの全校参加を決めた経緯がある。その経緯から考えても、45分授業にするとは考えにくい。

そこで、私が予想する箕面市の中学校給食であるが、次のような形になる可能性が高い。

「デリバリーランチ」と同じように民間委託し、今度は補助金を出して「幕の内弁当」のような給食を各中学校に配達させ、生徒に配布する。

これならば、中学校の授業時間・スケジュールを変えることなく、給食を導入できる。しかし、これは多くの保護者の求める給食ではない。多くの自治体が消極的なのは、中学校のカリキュラムとの関係を考え、必要性が低いと考えていると想像できる。
私の最悪の予想通りにならないよう、現場の当事者を中心とした検討会を立ち上げ、子ども達にとって一番いい形の給食になるよう、倉田市長には要望したい。

【追記】
現在、教育委員会などが検討している「中学校給食」の内容の詳細の資料をぜひ知りたいと思っています。もしご存じの方がおられましたら、教えてくださればありがたいです。

【追記】2011.5.2
大阪府が、現在中学校の給食を実施している市町村をHPにまとめている。465校中、36校の実施である。

大阪府内における小・中学校給食について

その市町村の中学校のHPなどで時間割などを確認してみたが、例えば交野市では昼休みというものは存在せず、すべて「給食」として組まれていた。
他の市も見てみると、時間割の組み方としても興味深いものがあったので、また別のポストで取り上げたいと思う。

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箕面市は東日本大震災で被災された方を受け入れてくださる家庭や社宅などを募集しています

東日本大震災が発生してから1週間。
少しずつ被害の様子が伝わってきて、援助の手が届きつつある。
しかし、それは大阪の私達が経験した阪神大震災の比になるものではなく、事態はかなり深刻でもっと多くの公的機関や地方自治体の協力、長期的な援助が必要なものであることがわかってきた。

私のfacebookやTwitterでも、被災された方々の一時的な疎開や受け入れを西日本でできないのかという提言や意見交換がなされていた。私自身もその必要は感じつつも、個人の力でどうにかなるものではなく、どう考えたらいいのか思いを巡らせていた。
そういうとき、このブログにも同様のご意見をコメントでいただき、箕面市に要望してみようと市のホームページを確認したところ、3月18日付けで箕面市も受け入れの呼びかけをしていることを知った。

被災されたかたを受け入れていただけるかた(個人宅・社宅など)を募集します(箕面市)

箕面市では、東北地方太平洋沖地震で被災されたかた、および福島原子力発電所事故により避難を余儀なくされたかたに安心できる時間を過ごしていただけるよう、ご自宅や社宅などの空き室を提供し、受け入れていただけるかたを募集します。

さすが、福祉で定評のあった街、箕面である。こういう行動は賞賛に値すると思う。

しかし、いくつか気になることがある。それは受け入れ条件の敷居が高いのではないかということだ。

次の条件を満たすかたの受け入れをお願いする予定です

  • 東北地方太平洋沖地震により被災し、住宅に甚大な被害を受け、困窮されているかた(福島原子力発電所事故による避難区域に指定された地域にお住まいのかたを含む)
  • 受け入れ先が決定後、ご自身で箕面市役所までお越しいただけるかた
  • 1か月後(あるいは6ヶ月後)にご自身で生活の基盤を整えることができるかた

この条件を満たす被災者の方は、少ないのではないだろうか。
宮城県など津波で街ごと消えてしまったところなど、1ヶ月や半年で生活の基盤を再建できるだろうか。
また、すべて失ってしまった方が自力で箕面市まで来られるのだろうか。
箕面市まで来る費用を市で負担することや、受け入れ条件の緩和を検討してほしいと思う。

また、箕面市は市営住宅を、低所得者向け住宅(市内 14団地 385戸)・中堅所得者向け住宅(市内 1団地 60戸)持っている。この中で、今回の受け入れが可能なところはないのであろうか。
検討中とのことであるが、是非善処してほしい

協力を要請しているのは、一般家庭や社宅を持っている企業であるが、不動産業者にも呼びかけたらどうであろうか。
空いている物件をいくつか持っていると思う。
家賃を全額箕面市が補助する条件で、協力を呼びかけることはできないであろうか。

何しろ、今回の大震災は観測史上、世界で4番目の大地震である。
地方自治体としても、普通以上の援助が必要だと思うのである。

そして、一番気になるのが、受け入れ先の募集期間の短さである。
締め切りは3月30日である。
これでは周知されずに、終わってしまう可能性が高い。
現地ではようやく支援が始まっている状況である。
締め切りは当面設けず、長く受け入れ先を募集することが大切ではないのか。

人口12万人の箕面市としては、今回の東日本大震災への支援はよく頑張っているし、評価されるべきであると思う。
かつて福祉で有名だった街、箕面を知っているものにとっては、うれしい限りである。
しかし、その分もっとやってほしいと思うのは、望みすぎであろうか。

このブログの読者の中には、箕面市議会の議員の皆さんもおられる。
是非、私の問題意識を市当局にぶつけていただきたいと考える。
私自身も要望できることは、要望していきたいと考えている。

(3月20日追記)
自治体の避難民受け入れ費用、全額国庫で負担 厚労省:asashi.com

被災地からの避難者を受け入れる自治体に対し、厚生労働省は19日、財政負担分をすべて国で補助する方針を決めた。避難しやすい環境を整える狙い。災害救助法の運用により、かかった費用の全額を国庫負担とする。同省が各都道府県に通知した。

これで、箕面市も受け入れ条件の緩和に踏み込むことができると思う。

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東日本大震災の被災者の方々に対して、何ができるのか

3月11日に起きた東日本大震災の被害状況がどんどん明らかになってくるにつけ、義援金以外にもっと何かできることはないのか、という気持ちが日々強くなる。

箕面市からは消防隊員の方々も現地に到着し、救援活動に参加しているとのこと。
今は、このようなプロの方にお任せするしかない。
素人がボランティア精神で現地に行っても、ただ足手まといになるだけ。
消防隊員が少ない分、箕面市では他の職員が消防活動に回っているとのこと。
僕たちは、箕面の防災が現在手薄になっていることを自覚して、行動する必要があると思う。

Twitterやfacebookなどで、さまざまな意見が交換されている。
その中で、いろんな支援のアイデアが交流されている。
それはそれで、大変意義あることなのだが、僕はあえてこのときだからこそ、16年前の阪神大震災の教訓を振り返りたいと思う。

関西の大学新聞の学生達が、今回の震災についての情報収集に努力している。
現地で被災した関西の学生が、何とか関西に戻ってきて、現地の様子を伝えてくれている。
現地では電源の確保も難しく、携帯も通じず、情報も入ってこないとのこと。
そして、救援物資が決定的に足りない。
是非、下記のリンク先を読んでほしい。

UNN関西学生報道連盟

また、彼らは自分たちで阪神大震災の経験、教訓を本にまとめて出版している。

僕たちの阪神大震災ノート

語り継ぎたい。命の尊さ—-阪神大震災ノート

僕がここで数多くあるNPOではなく、なぜ単なる学生の取り組みを取り上げたのかというと、阪神大震災の時に、数多くの学生達がボランティアとして神戸の街に集まってきて、寝る間も惜しんで救援活動に尽力したという事実があるからである。
あのときに、日本で初めて本物のボランティア活動が生まれた、と評価されている。
その精神を今も引き継ぎ、NPOなどの団体にせずに、営利なしに活動している彼らのことを、是非紹介したいと思ったのである。

上記のノートの主婦の感想の中に、次のような一節がある。

「震災から3日後、神戸からわずか40キロの大阪では何ら変わることなく若いカップルが海に面したガラス張りの喫茶店でお茶を飲んでいる。この天と地ほどの差は一体何なのだろう」

この言葉に、僕は胸が痛んだ。そう、僕も大阪だったので、家は半壊しても住む場所はあったし、3日もすれば商店に食べ物も並び始めたし、神戸の街の悲惨さはTVで見ているのが主だった。

もしかして、これって、今回の地震の東京と茨城の関係と同じではないのか。

facebookにログインすると、東京での買い占めは控えてください、というメッセージが表示される。そう、都会は必ずそのうち物資が流通する。買い占めるお金があるなら、本当に物がない宮城や東北に回すのが、今一番求められることではないのか。

そういう意味で、関西が経験した阪神大震災の教訓は、必ず今回の大震災にも役立つと考えている。上記の本も4月に復刊するということなので、僕も手に入れてじっくりと読みたい。

福島第一原発の問題など、書きたいことは山ほどあるが、今は一人でも多くの命が助かることを祈って、眠りにつきたいと思う。

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箕面市も東日本大震災への義援金・救援物資を受け付けています

この度の東日本大震災での被災者の皆様には、心からお見舞い申し上げます。そして、犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。
まだ行方のわからない方が一刻も早く見つかることを願いつつ、被災され孤立されている方々に早く救援の手が届くことを願ってやみません。

箕面に住んでいる私達は、阪神大震災を経験しました。あの時の教訓が、これからの救援や復興に生かされてほしいと思います。そういう意味では、記憶が薄れつつある今、再度本当に必要な救援とは何なのか、考える必要があるでしょう。

阪神大震災の時、私の実家は屋根が半壊し、空が見えていました。修理業者が足りず、シートでしのぎましたが、雨が降ると2階が雨漏りでびしゃびしゃになりました。それでも、住む場所が残っただけ幸せでした。
神戸の街は壊滅し、多くの方が住む場所を失いました。復興は思ったより早く進みましたが、結局街に戻れなかった方も少なくありません。復興で一部ゼネコンが儲けたという噂も流れました。

テレビでの報道を見る度に、あの時の恐怖と不安を思い出します。
阪神大震災から引き出せる教訓は、たくさんあるはずです。
西日本に住んでいる私達は、落ち着いて何が一番必要なのか考え、今助けを必要としている人たちに、本当に必要な支援ができるように考えていきましょう。

私自身、まだ十分に考えがまとまってません。阪神大震災での教訓など、皆さんのコメントをいただければ幸いです。
少なくとも、あの時と違い、ネットなどでさまざまな情報が錯綜しています。落ち着いて、惑わされないことも大切です。
いろんな情報を集約しつつ、いずれ来る次の大震災に備えて、私達や、市・府・国がどう取り組んで行くべきか、考えていきたいと思います。

箕面市が今回の大震災への義援金、救援物資を受け付けています。
今、個人で送っても混乱しますので、今何かしたいとお考えの方は、箕面市を窓口に救援の手をさしのべられたらいいと思います。

東北地方太平洋沖地震に対する義援金・救援物資の受付を行っています(箕面市ホームページ)

今後、状況を見ながら、箕面市に求める大災害での支援体制の要望などもアップしていきたいと思います。

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「みんなの箕面」ウェブの掲示板を作りました(一部変更)

私達のブログは、複数の視点を生かして、多角的に箕面市政を批判的に見ることを目的にしています。
私達の会の設立の趣旨に賛同してくださる方であれば、基本的にどなたでも記事を書いていただいてもかまわないという方針で運営しています(ただし、あくまで批判的な視点からですから、現在の箕面市政の基本的な方針に賛成の方には、執筆をお断りをすると思います)。

しかし、かねがね「箕面市政に対して言いたいことはあるのだが、ブログに記事を書くのは敷居が高い、掲示板のように気楽に自分の思いが書ける場所はないのか?」という要望を聞いていました。そのために一度フォーラムを作ったのですが、ほとんど利用されないので閉鎖しました。

ネット社会と言われますが、多くの方はPCではなく、ケータイからネットに繋げられることが多いと思います。このブログも最初からケータイに対応していたのですが、あまり宣伝していませんでした。

熟慮した結果、ケータイからも書き込みができる掲示板を設置することにしました。このブログのシステムであるWordPressで組み立てることも考えたのですが、外部サービスのFC2を利用することにしました。その方が、機能的にいろんなことができるので、将来的な発展性を考えた結果です。

私も経験がありますが、掲示板で一番迷惑なのは、無関係な広告をアップされることと、「荒らし」です。
私達は箕面市の「あした」を、市民の視点から丁寧に考え合いたいと思っています。
あなたのほんの身近で起きていることが、箕面の未来への警鐘かもしれません。

以下に、掲示板へのURLを載せておきますので、是非あなたの箕面への思いを書き込んでください。
http://think-minoh.bbs.fc2.com/
※URLが変更になっていますので、ご注意ください※

是非、みなさんのちからで「みんなの箕面」を育ててください。
よろしくお願いいたします。

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