「緊急プラン」の本質は大規模開発の財源確保〜私達の問題意識(2)〜

「緊急プラン(素案) Ver.2 」は予想通り、パブリックコメント募集の初日に、箕面市HPにアップされていました。6月最後の週に市民への説明会も行われ、引き続き7月21日までパブリックコメントを受け付けているということです。

仕事に追われ、なかなか更新できませんでしたが、パブリックコメントの募集にあたり、私達なりの問題意識、分析をがんばってアップしていきたいと思います。「緊急プラン」は提案したゼロチーム自身が認めているように、「市民の生活に厳しく切り込んだもの」になっています。
その分、多くの市民の生活に大きな影響を与えますので、何か行動しなくてはと思っておられる方も多いと思います。

私達にすぐできることといえば、とりあえず自分の意見をパブリックコメントに書いて、市に送ることでしょう。しかし、文章を書くにはそれなりの精神力が必要ですし、何よりも何を根拠に書いたらいいのか、悩んでおられる方も多いと思います。

そこで、ここからしばらくは、私達「みんなの箕面」なりの「緊急プラン」の問題点の分析と、箕面市の財政は本当に苦しいのかなどの、アップを再開していきたいと思います。
是非、お読みください。

前回の「私達の問題意識(1)」で、『「緊急プラン」を実行するためには、まず「国民健康保険料」の値上げが一番優先される』という内容を書きましたが、その通り、平成21年度は総額2億円の値上げが実行され、さらに1億円の値上げを市は提案しようとしています。
他に、前年度は反対が多くて見送った「保育所保育料の値上げ」や「障害者団体への補助金の削減」などを、至上命題として掲げています。
保育料はこれまで市で独自で補助金をつけ、国基準の7割程度の保護者負担でやってきました。それが一挙に9割、つまり20%も値上げされます。現在の保育料の最高金額(3歳児未満)は57,900円ですが、これが80,000円、22,100円もの値上げになります。年間で265,200円の値上げです。

倉田市長は「子育てしやすさ日本一」「老齢者の生き生きする街づくり」を公約に掲げて当選しておきながら、実際に行っている行政が「市民の命を削る」国民健康保険料の値上げ、「親の就労を妨げる」ほどの保育料の値上げならば、公約違反のそしりを免れないでしょう。

ここまでして、倉田市長が市民への福祉を削ろうとしているのはなぜでしょうか?
それは、「箕面森町」と「彩都」などの大規模開発へ、市民の税金を投入するための財源確保です。
私達が開催したシンポジウムでのプレゼン資料を使って、わかりやすく説明したいと思います。

平成21年2月9日に行われた「第1回彩都・箕面森町地域整備特別委員会」の資料によると、平成60年度までにそれぞれの事業に投入される市の税金は「箕面森町」で約317億円、「彩都」で約432億円です。
市の歳出の内訳は、学校や道路、下水道の整備に使われる「一般財源」、借金の返済に充てられる「起債等償還」、そしてそれぞれの町に人が住む限り市が負担し続けるサービスの「一般経費」です。
平成29年度までに「箕面森町」と「彩都」の事業に、市が投入する税金は以下のグラフのようになります(ここには、大阪府が負担する分は含まれていません)。

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それぞれの歳出を合わせると、平成22年度以降、20億円前後の金額が二つの大規模開発事業につぎ込まれることになります。
これと、「緊急プラン(素案)」が提示している市の財源不足を合わせてみると、興味ある一致を発見することができます。

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このグラフを見てもわかるように、平成29年度でも二つの事業は赤字です。市が提示している資料に基づいて作成していますので、特別な作為はありません。平成22年度の財源不足額が大きいのは、「臨時財政対策債」の廃止を計上しているからです。しかし、これはまだ決定していません。
ということは、二つの事業への本格的な市税投入が始まる平成23年度以降の財政不足額が、「箕面森町」と「彩都」の赤字分とほぼ一致することがわかります。

つまり、「緊急プラン(素案)」は、上記二つの事業への財源確保のために、市民への福祉を削ろうとしているとんでもないプランだと考えられます。
ところが、「緊急プラン(素案) Ver.2」では、二つの事業への市税の負担が異様に低く提示されています。どうも、「一般経費」の部分を、市は隠しているように見受けられます。
このあたりに関しては、今後の分析で明らかにしていきたいと思います。

以上のように、「緊急プラン(素案)」の本質は、「大規模開発継続のための財源確保」のために、いかに市民への福祉サービスを削っていくかということです。これは、本来市民の生活や命を守るべき、地方自治体の役割を放棄したも同然です。
市民から大きな反対の声が出てくるのも、当然なのです。

次回は、市が言うとおり本当に財政難なのか、「箕面森町」と「彩都」の二つの事業は市の青写真の通り、本当に黒字になるのか、検証していきたいと思います。
引き続き、お読みください。

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緊急プラン(素案)・ゼロ試案Ver.2が発表されたとあるが…

今日配布された「もみじだより」を見て、早速箕面市HPにアクセスしてみたが、どこを探してもみあたらない。
パブリックコメントを6月1日から募集すると載せていながら、その3日前でもまだアップしていないとは。
「もみじだより」には各公共施設で閲覧できるとあるが、市の施設にはすでに配布されているのだろうか?
確認された方がおられたら、コメントで知らせてほしい。

平成21年度の予算案はすでに入手しており、いずれ時間のあるときに分析したいと思っていたが、「もみじだより」の記述には不自然なところがある。
「平成21年度の成果」のところに「121億円の財源不足を解消」とあるが、まだ年度も終わっていないのに、なぜそんなことが言えるのか。

しかも、予算案では、その大部分は国民健康保険料などの滞納徴収の強化であった。ということは、今年度は個別の事情など顧みない「血も涙もない」徴収を行っていくということなのか。
このような状況の中で、ホームページに「緊急プラン(素案) Ver.2」が載っていないのは、わざと情報開示を避けているようにも感じられる。

Ver.1での目標だった「年間20億円の経常的な支出の圧縮」が10億円になったのも、市民の反対が強かったから。
逆に言えば、反対が弱かったところ、立場的に市に対して弱いところは容赦なく削減された。
Ver.2では、その根強い反対のあった「保育所保育料」と「障害者作業所運営補助金」の見直しを明記している。
さらに並んでいるのが、「就学援助の見直し」「私立幼稚園の授業料の見直し」「公共施設使用料の見直し」「がん検診・特定検診の有料化」などである。
いっそう、市民の生活は追い込まれていくだろう。

そもそも、「緊急プラン」は平成22年度以降、箕面森町や彩都の都市整備のために毎年20億円歳出していくための、財源確保のための財政改革案だと、私達は考えている。
そのために、箕面市の財産だった手厚い福祉を削り、高額所得者以外の生活はどんどん厳しくなる。
箕面市はいずれ箕面森町と彩都に合わせて2万人もの人が住み着いて、財政が豊かになるという青写真を描いてるようだが、福祉が貧弱な街で、しかも森町や彩都のような交通の便の悪いところに、箕面市外から2万人も引っ越して来るだろうか。箕面市外からの転入がない限り、市の税収は増えないのである。
市の試算は、市民をごまかすための目くらましの案なのである。

だから、北大阪急行の延伸や新名神の話が出てくるのだろうが、そのためにまた箕面市民の税金が使われることになる。
この財政難から抜け出すための方法はただ一つ、箕面市の財政規模に釣り合わない大規模開発から勇気を持って撤退することである。

改めて、倉田箕面市長に問いかけたい。
あなたは本気で箕面市民12万人の命と生活を守ろうとしているのか。
あなたは10年後、20年後、30年後の箕面市民の生活を心に描きながら、市長の仕事をしているのだろうか。
市民の代表たる市長は、一部の利権者の代弁者であってはならない。
声なき普通の市民を守ってこそ、市長ではないのか。
高額所得者ではなく、普通の所得の市民が安心して暮らせる街にしてこそ、転入も増え、税収も増える。
あなたに、そういう街づくりのビジョンが本当にあるのか、改めて問いたい。

私達編集委員は、このブログの運営が本職ではなく、各自仕事をしながら箕面をよくしたいという思いで、それぞれのできる範囲で活動している。
ブログの更新もなかなか思い通りにいかないが、途中で止まっているシンポジウムの報告も含めて、今後はまた活動を活発にしていきたい。
「緊急プラン(素案) Ver.2」も手に入り次第、分析していきたいと思う。

「箕面を愛している」や「まっすぐ箕面の未来へ」など、大切な言葉が簡単に政治の場面で使われているが、私達はそういうことばも、私達の側に取り戻したい。
私達の側から、私達の住む街への「愛」、そして「未来」を考えていきたいと思う。

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「会議室」を設置しました

「みんなの箕面」ウェッブはブログというシステムを使っている関係上、読んでくださっている方には、私達編集委員が書き込んだ記事に関してコメントしていただく形になっています。
ある意味、「雑誌」に似ているところがあります。ブログと同時に「ウェッブマガジン」という表現も併記しているのは、そういう媒体でもあるからです。

私達「みんなの箕面」の問題意識は明確ですから、このような形で自分達の考えや意見を表明することが最適だと考えますが、ブログというシステムによる限界もあります。
つまり、私達が書き込んだ記事に関しての議論が中心になり、それ以外に読者の皆さんが箕面に対して抱いている思いなどを、思いつくままに書き込むことはむずかしくなります。
この限界は、編集委員の間でも問題になっていました。

私達が「みんなの箕面」を立ち上げた一番の目的は、「みんなで箕面の未来を考え合う」ためです。
その中で、多くの市民が繋がりあい、新しい箕面を作っていくちからになることです。
そのためにも、記事に縛られることなく、読者が自由に問題意識を交流できる場所も必要ではないかと考えました。

そこで、「会議室」というコーナーを設置しました。
ここでは読者の方々が、自由に「トピック(話題)」を提起することができます。
そして、そのトピックに対して、他の読者も自由に意見を書き込むことができます。
是非ご活用いただき、箕面の「今」と「未来」について、多くの方々で意見の交流ができればと思います。

ただし、「荒らし」防止のため、登録制をとっています。
登録方法は簡単ですので、是非ご参加ください。
ページ上部のメニューに「会議室」がありますので、そこをクリックしてください。
会議室のページが開きますので、「会議室の使い方」を読んでいただいて、登録をお願いいたします。
詳しいことはそちらの方を読んでください。

今後はブログと会議室の両方で、箕面のことを考え合っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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「彩都を考える会」の学習会をご紹介します

ケンママさんのコメントという形で紹介していただいた学習会ですが、主催しておられる方にメールで問い合わせたところ、私達「みんなの箕面」と問題意識が一致している部分が多く、このブログでも紹介させていただくことにしました。

「彩都を考える会」学習会
日時:2009年5月24日〔日〕14:00?16:00
場所:中央生涯学習センター3階講座室
内容:
・彩都に建設予定の「小中一貫校」に関わる市の計画を知ろう!
・経済不況のなかで、市の描く「彩都の収支計画」は現実的か?
・彩都の開発が市の財政に与える影響は?

主催しておられる方がこのような学習会を開こうと思われた理由は、第一回彩都・箕面森町地域整備特別委員会「長期財政収支見通し」のデータを見て、その数字の内容に疑問を持ったことからだそうです。

私達の学習会でも、講師の初村尤而先生が試算されていましたが、箕面森町が黒字になるのは市の楽観的な試算でも2010年です。しかし、そのためには箕面市外から試算通りの人口が箕面森町に転入しなくてはいけません。箕面市内で引っ越ししても、市民税は増えませんので税収は増えません。この不況時に、市の試算通りの人口が、箕面市外から箕面森町に流入するでしょうか?
初村先生の指摘通り、もし箕面市の試算の50%程度しか箕面市外から転入しない場合、黒字になるのは2028年、累積赤字は70年以上続くことになります。

これと同じことが彩都でも起きることを、「彩都を考える会」の皆さんは鋭く分析されています。
しかも、URがこの2・3年のうちに土地開発事業から撤退することも指摘されています。ということは、彩都の赤字は箕面市民が永遠に支払い続けなくてはいけません。
しかも、そのURとの契約がこの6月30日に箕面市と交わされることも掴んでおられます。

この調査力と情熱に感服しました。詳しいことはぜひ、この学習会に参加して共に学び合い、考え合うことができればと思います。
今後も、このような市民レベルのさまざまな学習の交流をしていければと思います。
そのことが、きっとこの街を変えていく大きな力になると信じています。

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「緊急プラン(素案)」を考える(1)〜私達の問題意識(その1)〜

これからしばらく、シリーズで3月7日に行った私達「みんなの箕面」ウェッブのシンポジウムの報告をアップしていきたいと思います。
第1回は、箕面市が出した「緊急プラン(素案)」の本質を考える上で、私達が見落としてはならないと考えている視点・問題意識についてです。

シンポジウムで使用したプレゼンテーションの画像を使いながら、わかりやすく提示したいと思います。
私達のシンポジウムの雰囲気も同時に感じてくださればと思います。

まず、「緊急プラン(素案)」の概略を簡単に説明します。
要は、小泉元首相の元、地方への財源移譲の大義名分で「三位一体の改革」が行われましたが、そのおかげでもともと高額納税者の多い箕面市は、却って減収になってしまったこと、その他「基金」が残り少なくなってきていることが、強調されています。

同時に、平成19年度決算で経常比率が100%を越えてしまったこと。つまり、家計でいえば収入以上に支出が多くなったことをかなり強調しています(以下、プレゼンで使った画像を使って、簡単に説明します)。

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つまり、今のペースでお金を使っていくと、平成21年度から25年度の5年間で、総額273億円の財源不足になると試算しており、それを避けるために、毎年約20億円規模で支出を削減していくという案です。
そのために、箕面市の職員の人件費の削減や各種団体への補助金の原則2割カット、施設使用料などの公共料金の値上げ、保育料や幼稚園授業料の値上げなどを打ち出してきたわけです。
市が提示している支出と歳出、財源不足の概算額は以下のようになります。

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平成22年度の歳出の多さと、それに比べて23年度の歳入の多さが目につきます。これについては、のちのち分析したいと考えています。

ところで、「緊急プラン(素案)」は削減項目がバラバラに提示されているので、素人にはわかりにくくなっています。
そこで、「経常的な支出」と「臨時的な支出」の圧縮内容を、項目別にまとめて見ました。
合計で約163億円を5年間で削減するとしていますが、その内訳を見てみると…

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ご覧の通り、健康に関するものが約40%を占めることがわかります。
その内容を、もう少し詳しく見てみましょう。

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ご覧の通り、実は「緊急プラン(素案)」の大きな部分は、国民健康保険の値上げと箕面市立病院の独立採算制にかかっているのです。
つまり、「地方医療」への責任放棄です

市は市民からパブリックコメントを募集し、その結果保育料の値上げや障害者団体への補助金のカットなど見送った部分はありますが、実は見送った部分は削減対象の中でも大した金額ではないところです。
「緊急プラン(素案)」の試算を実現するためには、まず何よりも「国民健康保険」と「市民病院」の部分は実行しないといけないわけです。

それに合わすように、「箕面市国民健康保険運営協議会」が答申を出し、来年度に総額3億円の値上げを打ち出しています。なぜこんなに急いで答申を出してきたのか、私達は考える必要があります。この部分は、市当局は譲れないと考えているということです。要は、最初に削減しようとしているのは市民の「健康」と「医療」であるという事実をしっかりと認識する必要があります。

しかも、これらは市の予算案の中には、わかるようには書かれていません。特に、国民健康保険の値上げに関しては、予算案では実施しないことになっています。しかし、実際には会期の最後に答申を受けて、補正予算を出して削減するつもりなのです。
箕面市が「緊急プラン(素案)」という形で、今の市の財政の現状を市民に提示したことを評価する向きもありますが、私達は違う角度から捉えています。
これは、市民の目を問題の本質からそらせ、市民生活のさまざまな部分を削減対象にすることで市民を分断し、それぞれが自分に関わる部分がとりあえず守られたら安心するようにしむけ、その狭間にもっともお金のかかっている「地方医療」を削ろうとしているのです。

「地方医療」は私達市民にとって、命に関わるもっとも大切な部分ではないでしょうか。
そういう地方自治体が本来最も責任を持つべき部分を、最初に削ろうとしているのが「緊急プラン」の本質だと考えています。

では、市民の「命」を削る程まで市の財政は緊迫した状態なのでしょうか。
これまでの手厚い「福祉」が市の財政を圧迫したのでしょうか。
私達はそうは考えていません。

次回は、私達が考える「箕面市の財政難の根本原因」に対する問題意識を提示したいと思います。
どうぞ、引き続きお読みください。

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シンポジウムに多数ご参加くださり、ありがとうございました

3月7日(土)に、私たち「みんなでつくろう みんなの箕面」ウェッブで箕面市の「緊急プラン(素案)」について考え合うシンポジウムを開いたところ、30人を越える方にご参加いただき、本当にありがとうございました。

30人…、数としては多くはないかもしれないかもしれませんが、特に宣伝をするルートをもっていない私たちにしては、最初の取り組みとして次に繋げていく大きな足がかりを得たと考えています。

コメンテーターで来てくださった、社会法人自治体問題研究所の初村尤而先生には「市民サービスを維持しながら財政を健全化することはできる?箕面市「緊急プラン」批判?」というテーマで話していただきました。
お話もとてもわかりやすく、なおかつ、参加者に箕面市の「緊急プラン(素案)」の問題点、今後の取り組みの方向性を示唆していただき、勇気と希望をもらうことができました。
詳しい報告は、今後編集委員で分担して少しずつ書いていきますが、簡単に言うと、今の箕面市は家計でいうと「衣食住」で苦しんでいるのに、高価な車を買うような贅沢をしようとしていること。つまり、身の丈にあった財政運営をしようとしていないということです。

その根本は、やはり「箕面森町」や「彩都」などの大型開発。それに合わせて、「小野原西地区」再開発や「北大阪急行延伸」計画も出されている現在、それらの開発を進める財源を確保するために、国民健康保険料の値上げなど市民サービスを切り捨てていっているのが、「緊急プラン(素案)」の本質だということです。
だからこそ、市民の中で合意を作りながら、それらの計画を中止させていくことが大切であることが、考え合う中ではっきりしてきたと思います。

一度始まった開発を中止することは確かにむずかしいですが、今全国では採算が取れないという理由でやめていく事例もあり、国もそれまでに補助したお金の返還は求めない例も生まれてきています。
つまり、倉田市長がどれだけ本気で箕面市民の立場に立って、12万人の命と生活を守る覚悟を固めるかどうかです。
同時に、私たち市民が市政の方向性についてどのように合意を形成し、市に訴えていくか。私たちも諦めずに、どんどん繋がりを広げていくべきでしょう。

私たち「みんなの箕面」は、そのために市民が繫がっていく「ハブ」になりたいと考えています。
「ネットワーク」というよりかは、「ウェッブ(蜘蛛の巣)」のように、それぞれが対等に繫がっていく…
はやりの「ネット」という言葉を使わないのも、実は私たちなりのこだわりなのです。

シンポジウムの最後は、John Lennonの”Imagine”で締めくくりました。
未来の箕面を”Imagine”(想像)しながら、新しい箕面を「創造」していく。
大きなことを考えながら、身近なことに取り組んでいく。
Think Glabally, Act Locally.
私たちのブログのドメインにも、実はこの想いが込められているのです。

シンポジウムの内容はビデオのストリーミングも含めて、今後発信していく予定です。
どうぞ、これからも「みんなでつくろう みんなの箕面」をよろしくお願いします。

2件のコメント

「箕面市緊急プラン(素案)」について考えるシンポジウムを開きます

箕面市の「緊急プラン(素案)/ゼロ試案」が昨年12月16日に突然発表され、1月16日に締め切られた市へのパブリックコメントは、非常に短期間の募集にもかかわらず、約600人の市民から528件のかつてないほどのたくさんの意見が寄せられました。

それらの意見は既に市のホームページで公開されていますが、その多くが教育や福祉、医療を削っていく市に対する批判的な意見です。市当局も市民の大きな声を無視することはできず、平成21年度からの「障害者福祉作業所補助金」や「小規模通所授産施設運営補助金」の削減、「保育所保育料」の値上げは見送りました。ただし、平成22年度からは実施すると明言しています。

今回の「緊急プラン(素案)」は、箕面市のすすめる900の事業のうち、市民生活に直結する87項目が予算削減や廃止の対象として挙げられています。一方で、「彩都・箕面森町地域整備特別委員会」の資料では、平成22年度から毎年約20億円以上歳出していく予定です。つまり、大規模開発はこれから本格的に始まるのであり、平成25年度までの財政改革案だけでは箕面市の財政問題の全体は見えません。

だからこそ、私たち市民は「緊急プラン(素案)」について考え、財政改革自体に反対の姿勢ではなく、今回選定されなかった残りの事業は、なぜ削減や廃止されなかったのかを正しく分析し、いろいろな意見を交流しあい、箕面市の財政の健全化の方向性を考える必要があります。
そこで、私たち「みんなでつくろう みんなの箕面」ウェッブでシンポジウムを開催することにしました。

財政問題の専門家に来ていただき、箕面市は市がいうとおり「緊迫した財政難」なのか、また「緊急プラン(素案)」の本質的問題点はどこにあるのかなどを詳しく分析していただき、その意見を参考に参加者で箕面市の今後を考えあいたいと思います。

是非、都合をつけていただき、多数参加くださるよう、お願いいたします。

テーマ:「箕面市緊急プラン(素案)」について考える

日時:2009年3月7日(土) 午前9:30〜午後12:00
場所:中央生涯学習センター メイプルホール・小ホール
内容:よさこい演舞
パネルディスカッション
コメンテーター:社会法人自治体問題研究所研究員 初村尤而氏
参加費:無料
主催:「みんなでつくろう みんなの箕面」実行委員会

参加された方に、わかりやすく箕面市の財政の問題をわかってもらうため、スタッフで鋭意努力中です。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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鳴りを潜めている大規模開発

倉田市長が任命した、奥山副市長をリーダーとする「特命チーム“ゼロ”」は、平成25年度で一般会計の経常支出比率を100%以下にするという「緊急プラン(素案)」を発表しました。
この案は「子どもたちの未来にツケを残さない」という美辞麗句がついていますが、本当でしょうか? 他の記事にも書かれているように、「緊急プラン」には5年後以降の箕面市の未来がどこにも描かれていません。経常支出比率が100%以下になり、財政に余裕が出てきたとき、そのお金を何に使おうと考えているのでしょうか。今回の緊急プランで削減された予算を復活させて元に戻すでしょうか。決してそんな事はしないでしょう。
その使い途とは、ずばり「北大阪急行のかやの中央への延伸計画」だと考えています。今回は、その裏側にある、シナリオを探ってみたいと思います。

倉田市長は当選後の初登庁の際に、1期目で「北大阪急行電鉄のかやの中央への延伸計画」の実施の目途を付けたいと言っていました。いったい何を考えているのでしょうか。

ここのところの人口の減少や都心回帰現象により、郊外にヴィソラのような大規模ショッピングセンターや箕面森町という大規模住宅地建設と抱き合わせで鉄道路線を延伸しようとする考え自体無理があります。北大阪急行電鉄延伸計画は、ヴィソラでの利用客も減少してきているようなので、このまま時代の流れとともに朽ち果てていくのが現実的な見方でしょう。

北大阪急行線延伸推進会議なるものも組織されてはいますが、北大阪急行側も採算性が合わないためか消極的です。しかし箕面市として、実はすでに事業費に充てるため、交通施設整備基金として25億円もの資金を積み立てています。
箕面森町が思うように開発が進まない。ヴィソラの客足が減ってきている。延伸計画を推進する次なるネタは、やはり、船場地区の活性化ということになるでしょう。

そういう視点で見ると、船場繊維団地付近の様子が大きく変わってきています。大規模駐車場を完備したパチンコ店の出店や、繊維団地から撤退した跡地に建設された高層マンション。都市計画として、船場付近の見直しがあって、建築許可などが出たのかもしれません。
船場地区のあり方の見直し=マンション建設路線への変更となれば、人口の増加による歳入の増加も見込まれるし、北大阪急行に対しても利用客の増加も見込まれるということで、路線延長へのアピールにもなります。

北大阪急行線延伸推進会議の構成員として、商工会議所や、農協、船場協同組合、地元選出府議会議員、箕面市議会議長などが関わっていますが、その後ろでは、地権者、不動産関係者、建設業者などの利害関係者も間接的に絡んでいるのでしょう。
倉田陣営が市長選の時、「大開発は終わった」として全く開発問題に触れなかったのも、そのあたりの勢力が倉田市長を裏で支えているからだと考えています。

しかしながら、阪急電鉄が早い段階で千里線の延伸計画を中止したように、箕面市もかやの中央のこれ以上の開発を中止すべきだと思います。実施される事になれば、その時は地権者、不動産関係者、建設業者などが儲かるかもしれませんが、長期的に考察した場合、最終的には採算がとれないことが明らかなので、20年も経っているにもかかわらず、北大阪急行延伸計画が具体化されないのです。

箕面森町へ向けて国道423号線を延伸してできたバイパスによって、箕面の滝の水量が減ってしまったため、観光資源である箕面の滝がなくなってしまっては大変な事になるので、大阪府が年間3000万円かけて、地下水を吸い上げて箕面川に流す費用を補填しています。同じように、北大阪急行の延伸を推進してきた箕面市は、採算条件として「開業30年又は40年で経常累計損益が黒字転換し、かつ、借入残高がゼロ」としていますが、30年経っても北大阪急行が黒字転換出来なかったら赤字分を補填するのでしょうか?
そのときに使われるお金は、私たち市民の税金です。

先日、実家が箕面にあるが、仕事の都合もあって、大阪市内に住んでいる独身20歳代の青年と話をする機会がありました。「正直言って、今の箕面に魅力を感じなくなってきている。行政サービスが低下してきていることもあるので、住む場所はあえて箕面でなくてもいいと思うようになってきた」との事。
「箕面だからこそ」という魅力がなくなってくれば、人口流出、歳入減少につながります。直接色々な行政サービスを受ける機会の少ない20歳代の独身の青年でさえそんな風に考えている状況を倉田市長やチーム“ゼロ”の職員たちはどう感じるのでしょう?

箕面の「売り」であった福祉を削ってまで、大規模開発に永遠に市民の税金をつぎ込む体制を作り上げること。倉田市長や与党議員勢力を支えている利権者たちが、永遠に甘い汁を吸うことができる体制を作り上げること。これが「緊急プラン」の裏のシナリオだと思います。
「子どもたちの未来に永遠に負債を残す」、このような「緊急プラン」を許してはならないと思います。

2件のコメント

「緊急プラン」が与えつつある市民生活への影響の情報をお寄せください

「緊急プラン」が発表されて以来、私たち「みんなの箕面」として、いろんな会派の議員の方に会い、本来市など地方自治体が果たすべき「福祉の充実」など、本筋に立ち返った議論が市議会で行われるよう、意見交換を行ってきました。
その中で、議員の方からもいろいろ情報やヒントをいただき、今後の活動に生かしていきたいと考えています。

他にも、さまざまな方からお話を伺う中で、「緊急プラン」がじわじわと市民の生活に影響を与え始めていることを感じています。

例えば

・国際交流協会は補助金削減のため、これまでと同様の事業を継続するのが難しいという影響が出ていること
・障害者の作業所では、職員の雇用に影響があり、作業所の存続にも影響があるかもしれないこと
・障害をもっている子どもたちの早期療育を行っている「あいあい園」が、バスによる送迎を中止することを保護者に知らせていること
・国民保険の保険料の値上げ幅は、年収210万円から400万円の層が一番大きく、年間6〜10万円ぐらいになる可能性があり、一人親の家庭などは大きな影響を受けるだろうこと

市は来年度の予算編成に取りかかっていますが、その中ですでにいくつかの削減が現場に伝えられ、市民の生活に影響が出始めているようです。

そもそも「緊急プラン」は「特命チーム」が一般財源圧縮のために考えた「机上の案」であり、実行されればどのような影響が市民の生活や命に与えるのか、十分に検証されたわけではありません。そのために時間もありません。

たからこそ、私たちはすでに現れ始めている「緊急プラン」やそれに付随する財政問題で起き始めている問題を、広く市民から聞き取っていく必要を痛感しています。
そのことで、まだ「緊急プラン」をよく知らない方や、「財政難だから、みんなで『痛み分け』が必要だ」と考えている方に、このプランの本質を知らせることができると考えています。

いろんな方のお話を聞けば聞くほど、「緊急プラン」はみんなで平等に「痛み分け」するようなものではなく、社会的に弱い立場の方、経済的に苦しい世帯をさらに追い込んでいく、不平等なプランだということを実感しています。

ぜひ、多くの方からこの記事へのコメントという形で、現実に起き始めている、あるいは考えられる生活への影響の情報をお寄せください。
みんなで力を合わせて、この「緊急プラン」の本質を明らにしていき、追い込んでいきましょう。

4件のコメント

「緊急プラン」の裏のシナリオ

箕面市が12月16日に突然発表した「緊急プラン(素案)」は、市民の中に様々な波紋を呼び、年末年始の慌ただしさの中で1月16日にパブリックコメントが締め切られました。

聞くところによると、今週中には倉田市長の査定があるようで、2月の初旬には予算案が議会に示されるようです。
「特命チーム」はあくまで素案であり、市民の意見を聞いて、さらに練り直すことも考えているようなニュアンスで説明していますが、本当に市民の声を聞くつもりならもっと時間をかけて議論することも可能なはずです。いくら「基金」が少なくなったとはいえ、まだ2年間は大丈夫なのですから、最低1年間は議論しつつ、考えることも可能なはずです。

私たち「みんなの箕面」では、この慌ただしさの中には、裏のシナリオがあるのではないかと分析しています。

(1)倉田氏は市長選で「財政難」をひたすらあおっていました。しかし、箕面市が進める「大規模開発」はすでに終わった問題として、全く触れせんでした。
(2)就任後、まずは副市長人事を決め、彼をリーダーに「特命チーム」を作り、「緊急プラン」を出させました。あくまで特命チームの案であり、倉田市長は直接は関与していないというスタンスをとっています。
(3)内容的に「市民の生活に厳しく切り込む」ものにしていますから、当然市民からの反発も大きいことは十分予想していたでしょう。自民・公明・民主の与党議員からも一定の異論が出てくることも、想定のうちでしょう。
(4)市民からのパブリックコメントにはいろいろな意見が書かれているでしょうから、その中から倉田市長の公約である「子育てしやすさ日本一」「高齢者が生き生きする街作り」などにマッチするものを取り上げる形で、一定修正した予算案を立てさせるでしょう。
(5)その中に、同時に議会でここまでは修正を受け入れるという部分を作っておき、その部分を「与党議員」が修正案を出し、予算を成立させます。

このやり方だと、「緊急プラン」を出したのは倉田市長ではありませんから、倉田市長は公約を守るため、厳しい財政の中で最大限努力した、と宣伝することができます。
また、与党議員も修正案を多数で通すことで、市民の声を一定予算に反映させることができた、という成果を出すことができます。
市民は、成立した予算案を見て、ある程度市も考えたんだなと思ってしまうでしょう。

つまり、今回のやり方だと、倉田市長は傷つくこともなく、自分の評価を高めることができ、自分を支える与党議員の顔も立てることができます。同時に、市民の関心は財政の厳しさに向いてしまっていますから、その土俵の上で一定の妥協をしてくれたと思うでしょう。

成果はあくまで自分のものにしようとする姿勢は、「乳幼児医療助成拡大」の成立にもよく表れています。
市長選・市議選の後で最初に開かれた市議会で、日本共産党から上記の条例改正案が出されましたが、倉田市長は自身のブログに書いてあるように、「財政的裏付けが甘い案」として継続審議にさせ、次の議会でほぼ同じ改正案を提出して成立させています。
あくまで、「乳幼児医療助成拡大」を実現したのは自分である、という事実がほしいのでしょう。

市民からすれば、誰が成立させたかは問題ではなく、福祉として必要なことであれば、誰が提案しても正当に審議され、成立していく「当たり前の議会」を求めるのですが、実際は政治の力学が働き、そうはいかないようです。

このような観点から考えると、「緊急プラン」にはすでにいくつかの仕掛けがしてあり、打ち上げ花火のようにあげることで、市民の目が削減対象に向くようにし向け、本質の問題・原因から目をそらさせるつもりなのでしょう。

ですから、私たち「みんなの箕面」は、まず市が提示した「枠組み」そのものを疑うことから始める必要があると考えています。要は、「同じ土俵」には乗らないと言うことです。箕面市の財政問題の全体像をとらえ、地方自治体は本来どういう仕事をするべきなのか、という本質論から考えていくべきだと提起します。

私たちの分析は、今後少しずつ編集委員で書いていきますが、市民自身が財政の問題を学び、考えあうために3月7日(土)にシンポジウムを計画しています。
是非、参加者の皆さんと一緒に、箕面市の「緊急プラン」を分析し、私たちの箕面市を作っていく一歩にしたいと思っています、

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